【移住者インタビュー】起業準備中「よさこい移住」・高知市在住Kさんの例

高知市へ「よさこい移住」をされて6年目に突入したKさんに、インタビューをしました。

 

――移住のきっかけはなんですか?
『原宿スーパーよさこい』で踊ったのが始まりです。
始めは、インターネットで申し込んで、そのままぶっつけ本番で踊れる「ネットdeよさこい」というチームに申し込みました。 そのチームの人の協力も得て、東京にチームを作ったりしているうちに、段々、本場高知のよさこいで踊りたいと思い始めました。
その後、毎年8月9日に高知に来て、踊って、観光して帰る、というというスタイルを5年くらい続けていました。 その時は引っ越すつもりはありませんでしたが、その観光の中で出会った、高知の自然や良心市などに魅力を感じていました。
そうこうしているうちに、自分自身のライフスタイルに変化があり、(ずっと東京暮らしだったので)「田舎が欲しい」と、思い立ち、いくつかあった移住候補の県の中から、「よさこい」でなじみのあった高知を選択しました。

よさこい移住

東京・高知の期間を合わせて「よさこい歴10年」の節目を今年迎えた。

――周りの反応はどうでしたか?
高知の方のほうが反対しました。「東京にいるのに、なんでこんな田舎に来るが!?」というのがほとんどの人の反応でした(笑)

――高知に引っ越すに辺り、どこかの機関に相談しましたか?
5年前はまだ相談するような機関もなかったので、よさこいでお友達になったおばちゃんたちに不動産屋さんを紹介してもらったりしました。
※その当時、当社もまだありませんでした(^^;現在では県や市に移住窓口があります。

――移住するにあたって、困ったことはなにかありましたか?
県庁や市役所に問合せした時に、「仕事のあっせんはできません」「どこかの不動産屋さんを特定して推薦することもできません」と言われました。
当時はまだ移住関連の部署ができたばかりだったみたいで、役所の人もなにもわかっていない様子でした。ですから、全て自分でやるしかなかったです。
ただ、高校卒業を控えていた娘が、移住前に、高校の先生の推薦で高知へ就職が決まったこと(※高校生の就職は、すべて学校が間に入るようになっている)。引っ越してきてすぐに、自分自身の就職も決まったので生活面での目途が立ちました。

よさこい移住

5年前、娘さんと2人で高知へ移住してきたKさん。今年は娘さんも初めてよさこいに参加した。

――住居を探すうえでのアドバイスはありますか?
高知に来てから仕事を決めるんだったら、ある程度の蓄えがないとしんどいですよね。私の場合、高知に来るにあたって、中古のマンションを購入したので、「ゆっくり(仕事を)探せばよいや」と思って来たのですが、借りるとなったら、ちょっと違ったかもしれません。案外、高知市内の賃貸のアパートや駐車場代は高いし、お給料は低いんですよね。

――そうなんですよね。どのくらいの収入が見込めるか、しばらくは失業保険で生活する、とか…。あとは、自己負担となる税金等…そのあたりはざっくり計算しておかないと、後あとしんどくなるかもしれませんね。
若い子は何とかなるかもしれないけど、ある程度、年行ったら行き当たりばったりでは何ともならないから、やっぱりちゃんとした計画は必要です。

――住み始めてから困ったことはありましたか?
私がわからないことを聞いてみても、地元の人には「当たり前」で話が通じないことも多かったです。どちらかというと、住んでからぶっつけ本番で学んだことも多かったかな。
高知の方は、声が大きいし、(悪気はないけど)口が悪い人が多いので、思いついたらため込まずに言って、そのあとケロッとしている方も多いですよね。あまりのきつい言葉に、最初はかなり戸惑い、泣いてしまうこともありました(笑)

――あぁ、わかります。高知の方は言葉がストレートですよね (笑)
まぁ、後あと聞いたら、たまたま自分の職場にそういう人がいただけみたいなんですけどね(笑)

――5年住んでみて、高知になじめない人、高知移住に失敗しそうな人はどんなタイプの人だと思いますか?
いままで見た感じだと、洗練された感じの、上品な人はむずかしいかもしれないですね。移住の人は、ある程度「田舎である」というところに魅力を感じてくるからあまりいないと思うんですけど、転勤とかで高知に来た人は大変そうですね。あと、声の小さな人とか(笑)

――あぁ、わかります。私、声大きいし、ガサツだから居心地がいいんだろうな、と思います(笑)
私も!!ぐいぐい行くタイプの人の方がなじめるよね(笑)

――移住して良かったと思いますか?
もちろん!!もう、絶対に帰ろうと思わないです。むしろ今、(高知で)お墓どこに入ろうか考えてるとこ!!(笑)

――お墓って!!(笑)
今思えば、高知に来る前はすごく自分を抑えていた感じがします。
高知って、食べ物が良く「ウリ」になっていたりするけど、でも食べ物がおいしい県って他にもあると思うんですね。
生活するなら「性格」や「人柄」が自分と合う、合わない、っていうのがすごく大切。高知の人は、『程よく適当』なんですよね。初めは、興味津々でぐいぐい寄ってくるけど、そのうち飽きちゃう。気にしていないわけじゃないだけど、しつこくもなりすぎない。それがすごく居心地が良いな、と思っています。
始めは、戸惑ったことも、今じゃ自分が同じようにしている気がします(笑)

――移住する人にアドバイスとかありますか。
あまりきちんとしすぎていると、ちょっと高知はしんどいかもしれないですね。
「ガハハハ」と笑う感じの人の方がいいですよね。
あと、高知の人は結構予定を決めるのが遅かったり、ぎりぎりじゃないと分からない、みたいな行き当たりばったりタイプの人が多いので、そういう『高知時間』にイライラしない人の方が楽しく生活できるかな(笑)

――本当にその通りだと思います。最後に、今後の目標をどうぞ!!
現在、食の仕事で起業しようと準備しています。高知の女性は皆、朝から晩まで忙しく働いているので、少しでもそんな女性達の助けになるような「地域のお母さん」的な仕事がしたいです。仕事帰りに「あと1~2品、買って帰ろう」と、フラッと寄れる『家庭の味のお惣菜屋さん』。そんなお店が理想です。
初めてのことばかりで、何度も心が折れたりしていますが、でも、絶対にやります!
せっかく食べ物の美味しい高知に来たので、

やらずに後悔するより、とにかくやってみる。
移住を決めた時もそうでした。その決断に後悔はありません。
これからも私は、高知のよさこいのように、どんどん前に進んでいこうと思います!!

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移住して5年、高知の生活にも慣れ、今、新たな目標に向かって頑張っているKさん。
株式会社旭町3丁目不動産は、そんな彼女をこれからも応援しています!!
この度は起業準中の、お忙しい中、インタビューにご協力いただきましてありがとうございました!!

※当記事は実際に移住された方にインタビューしたものを文字に起こしたものであり、Kさんご自身の5年間住んだ感想です。Kさんのように、楽しんでいる方ばかりではなく、うまく地域になじめずに、数年内に地元へ帰る移住者も多いのも事実です。そのことを念頭に、ご自身の移住には十分ご検討の上、ご判断ください。
(2016.10.3 取材)